映画「刑事ジョン・ブック 目撃者」のここが素晴らしい!!
「刑事ジョン・ブック 目撃者」という映画をご存知でしょうか。
久しぶりに戸棚からブルーレイを取り出して観ました。
1985年公開のアメリカ映画です。第58回アカデミー賞の作品賞と主演男優賞(ハリソン・フォード)にノミネート、脚本賞と編集賞を受賞しました。
ハン・ソロ(スター・ウォーズ)でもなく、インディアナ・ジョーンズでもなく、デッカード(ブレードランナー)でもなく、ハリソン・フォードの紛れもない俳優キャリアの代表作です。
今見ても、全然古くなく、わくわくドキドキしみじみジーンと楽しめる素晴らしい映画ですのでぜひ紹介させてください。
アメリカのペンシルベニア州に「アーミッシュ」という人々が暮らしています。
キリスト教の戒律を重んじ、ドイツからアメリカに移民してきた当時の生活様式を守るために、いまだに電気を使用せず、テレビも電話ももっていません。
近代以前と同様の生活様式を基本としていて、農耕や牧畜を行い、自給自足の生活を営んでいます。
そのアーミッシュの母子(母レイチェルと息子サミュエル)が親族のいるボルチモアへ旅行に出ます。そして、偶然にもアーミッシュの村からすると大都会の途中駅のフィラデルフィア駅のトイレ内で幼いサミュエルが二人組みによる殺人を目撃してしまいます。
事件の担当になった刑事ジョン・ブック(ハリソン・フォード)により母子は半ば強引に捜査に協力をさせられるのですが、やがて、その殺人の犯人がブックと同じ警察署内の麻薬課のマクフィー刑事であることが判明します。
しかしブックがそのことを内々に相談した上司(シェイファー本部長)もグルであったために、ブックはマクフィーから襲撃を受け、負傷します。
ブックは危害が母子に及ぶ事を恐れ、
しかしそこで力尽き、母子やその義父に命を救われ、
やがて、ブックは戸惑いながらも徐々にアーミッシュの暮らしに溶け込んで
そこから現代文明側から来たブックと村の人々とのさまざまな交流があり、事件も一転二転と展開していきます。
ここから先は映画をこれからご覧になる方の妨げになりますので、最期に、この映画の素晴らしいシーンを3つだけ紹介させてください。(他にも素晴らしいシーンはあるのですが)
①アーミッシュの村で、村人が全員で若い農夫婦の納屋を建てるシーンがあります。
俳優になる前大工だったハリソン・フォード=刑事ジョン・ブックが大工仕事で大活躍する名シーンです。
村人全員が協力して徐々に納屋が建っていき、やがて、完成して、夕方に村人は神に感謝する歌を歌いながら、三々五々帰って行きます。アーミッシュの人々がお互いに無償で助け合いながら生きていることを実感できる素晴らしいシーンです。
②納屋の中で、車を修理していたブックが、カーラジオから流れるサム・クックの“Wonderful World”に思わずレイチェルをダンスに誘うシーンがあります。ハリソン・フォードの茶目っ気満載の素晴らしいシーンです。
③村に来た当初、ブックは「イングリッシュマン」
やがて事件がブックの活躍で解決し、ラストでブックがいよいよ村を去っていく時、ブックを最もよそ者として遠ざけていた義父が、ブックに「イングリッシュマンに気をつけろ」と声をかけます。
よそ者だったブックが義父からもアーミッシュの一員として認められた事を示す素晴らしいシーンです。
この映画はストーリー展開の巧みなサスペンス映画なのですが、実は秀逸な恋愛映画でもあります。
そして、文化や価値観の異なる他者を受け入れることの大切さをそっと教える素晴らしい映画でもあります。
非常に見応えがあります。
ぜひご鑑賞あれ。