パパみ~ぞのブログ

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映画「ハドソン川の奇跡」で感じること

 

ハドソン川の奇跡」という映画をご存知でしょうか。

 

  

これは実話に基づく映画です。

 

2009年1月15日、ニューヨークのラガーディア空港を離陸した155名を乗せたUSエアウェイズの旅客機が、離陸直後に両方のエンジンにバードストライク(鳥が飛びこんでエンジン停止になることです)を起こすという不運に見舞われます。

 

離陸直後に両エンジンが同時にバードストライクを起こすというのは米国史上初の稀なケースだそうです。

 

徐々に高度と速度を失っていく中で、ベテラン機長のチェズレイ・サレンバーガー(愛称サリー)は、空港管制官と連絡をとり、何とか空港へ戻ることをめざします。

 

しかし、機長は、長年の経験に基づき、高度と速度が低すぎるため無理に戻るとニューヨーク市街に墜落してしまうと判断し、急遽ハドソン川への緊急着水を決行します。

 

そして、見事に最小限の機体破損で着水させ、乗員乗客155名全員を機体が沈んでしまう前に救助させることに成功します。

 

離陸してから着水までわずか5分間の出来事であり、全員が無事に生還したことから、サレンバーガー機長のこのとっさの行為は、当時のオバマ次期大統領やあらゆるメディアから「ハドソン川の奇跡」と称賛されます。

 

しかし、事件直後は「国民的英雄」として称賛されたサレンバーガー機長ですが、その後の国家運輸安全委員会(NTSB)の調査で、「実は空港への復帰は可能で、機長の誤った判断で乗員乗客155名の命を危険にさらした殺人未遂ではないか」との疑いをかけられてしまいます。

 

コンピュータでシミュレーションすると、空港に戻れたはずだというのです。

 

国民的英雄だった機長が一夜にして殺人未遂の容疑者へと変わってしまいます。

 

そこから、この容疑の結論が出るまでをこの映画は丹念に描いていきます。

 

サレンバーガー機長や副機長の驚きと苦悩、冷淡なマスコミ、国家運輸安全委員会(NTSB)の厳しい追及。

 

サレンバーガー機長が言います。「40年の経歴が、たった208秒の決断だけで疑われるのか」。

 

やがて、「空港へは絶対に戻れなかった」というサレンバーガー機長の主張に対して、国家運輸安全委員会(NTSB)の結論が下されます。

 

果たしてサレンバーガー機長の判断は間違っていたと断罪されてしまうのでしょうか。

 

このプロセスを見ていてしみじみ感じ入ったのは、サレンバーガー機長の自身の信念を貫き通す姿勢です。

 

NTSBからたとえどんなに厳しい追及を受けても、40年間もの間安全運航を続けきた自身の力量への揺るがない信念をもって「自身のとっさの判断は絶対に正しかった」との主張を貫きます。

 

内心非常に動揺し、苦悩に苛まれたでしょうが、自分の判断は間違っていなかったという主張は絶対に曲げませんでした。

 

苦悩に苛まれるサレンバーガー機長を名優トム・ハンクスが熱演します。

 

そして監督はこの実話を非常に見応えのある映画に作り上げた名匠クリント・イーストウッド

 

ぜひ、みなさんもこの映画でその結末をご覧ください。