パパみ~ぞのブログ

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俳優が台詞を喋らないからかえって演技の素晴らしさが際立った21世紀のモノクロ・サイレント映画「アーティスト」

 

2011年に公開されたフランスのモノクロ・サイレント映画「アーティスト」をご存知でしょうか。

 

 

映画界がサイレントからトーキーに急激に移り変わって行く1920年代後半のハリウッドを舞台に、サイレント映画の大スターのヴァレンティンと、新人女優のペピーの出会いとそのロマンスの行方を描いた映画です。

 

1927年、大部屋女優のペピーは、大スターのヴァレンティンに出会います。ペピーはヴァレンティンに淡い恋心を抱いているのですが、既婚者であるヴァレンティンは彼女を大切に想い、「女優を目指すには個性が必要だ」と彼女に「つけぼくろ」を付けて女優としてのアドバイスを与えるにとどめます。

 

やがて1929年、映画界がサイレントからトーキーに急激に移り変わって行く中で、サイレント映画にこだわり続けたジョージは瞬く間にスターの座から陥落し、落ちぶれて行きます。

 

その一方、ペピーは時代の波に乗ってスターの座に駆け上がっていきます。

 

その二人が再開するのですがはたして・・・という映画です。

 

サイレント映画の大スター、ヴァレンティンを演じているジャン・デュジャルダンはフランスでは人気コメディアンとして知られる名優だそうです。

 

新人女優ペピーを好演するのはフランス女優のベレニス・ベジョ

 

ハリウッドを舞台にした映画なのに、俳優さんが全員フランスの俳優さんなんですね。

(フランス映画ですものね)

 

二人は元より俳優さんたちは誰も台詞を喋らないのですが、かえって、それゆえに眼や表情やしぐさで感情を豊かに表現しています。

 

特に、ヴァレンティンを演じているジャン・デュジャルダンの眼や表情やしぐさが凄い!!!

 

そして忘れてはならないのが、本作での名演技を評価され、カンヌでは「パルムドッグ賞」を受賞したというテリア犬のアギーの「名演技」!!!

 

このワンちゃんの演技なしにこの映画は成立しなかったのではと思わせるほど素晴らしいです。

 

この映画はフランス映画ですが、本場ハリウッドでも高く評価され、2012年の第84回アカデミー賞では、ヴァレンティンを演じたジャン・デュジャルダンが見事に主演男優賞を受賞したほか、作品賞、監督賞(ミシェル・アザナヴィシウス)、衣裳デザイン賞、作曲賞の見事5部門の受賞に輝きました。

 

モノクロ???? サイレント??? フランス人がつくったハリウッドの映画??? とおっしゃることなかれ。

 

この映画は俳優さんたちやワンちゃんの「名演」に心から酔いしれ、観終わった後にはとても幸福な気分になれること間違いなしの素晴らしい映画です。