映画「セブン」はあっと驚く巧みなストーリー展開と出演者たちのいぶし銀の演技で何度観ても楽しめる傑作です
90年代を代表するサスペンス映画「セブン」を紹介させてください。
1995年のアメリカ映画です。監督は本作のヒット後、次々とヒット作を世に送り出すことになるデヴィッド・フィンチャー。
退職まで1週間と迫った老刑事サマセット(モーガン・フリーマン)と、他の警察署から転勤して来て手柄をあげようと血気盛んな若手刑事ミルズ(ブラッド・ピット)はある死体発見現場に赴きます。
そして、その信じられないほど肥満の男が、銃で脅されながら大量の食事を強制され、最後は腹部を殴打されて内臓破裂で死亡したことが判明します。
やがて、現場からキリスト教の「七つの大罪」の「GLUTTONY(暴食)」の文字が発見されます。
そして、ほどなく強欲なやり手弁護士のグールドが遺体で発見されます。
状況から、被害者は犯人から2日かけて自分のお腹の贅肉の部分を1ポンド分切り落とすよう強制されていたことが推定されます。
そして、現場には被害者の血で書かれた「七つの大罪」の「GREED(強欲)」の文字が。
こうして、犯人がキリスト教の「七つの大罪」に基づいて被害者を選定し、次々に猟奇殺人を繰り返す意図をもっていることが明らかになります。
この事件の犯人にサマセットとミルズが迫っていくというのがこの映画のメインストーリーです。
「SLOTH(怠惰)」、「LUST(肉欲)」、「PRIDE(高慢)」の被害者も次々に発見される中でサマセットとミルズは犯人の住居まで迫るのですが、惜しくも取り逃がします。
あと残るは「ENVY(嫉妬)」と「WRATH(憤怒)」。
やがて、犯人のジョン・ドゥがサマセットとミルズの勤める警察署に血塗れの服を着たまま自首してきてきます。犯人を演じるのがケビン・スペイシー。
取り調べを受けたジョンは弁護士を通じてミルズとサマセットの2人を指名し、彼らと3人だけで残る2つの死体の隠し場所を教えるために荒野に連れて行かせるというところがこの映画のクライマックスです。
そして、誰もがあっと驚く展開が待っています。
この映画はその巧みなストーリー展開に加えて、出演者たちのいぶし銀の演技が光ります。
偏狭な信念に従い「七つの大罪」に基づいておぞましい連続殺人を決行する不気味な犯人ジョン・ドゥを演じるケヴィン・スペイシー。
退職まで1週間でこのようなおぞましい事件に巡り合ってしまった老刑事サマセット役のモーガン・フリーマン。
短気でこの事件で手柄を上げようと血気にはやる新米刑事ミルズ役のブラッド・ピット。
そしてミルズに付いて新しい街に越してきたけど馴染めず悩みを抱えるミルズの妻役のグウィネス・パルトロウ。
そうした演技達者な出演者たちのいぶし銀の演技により、この映画はその巧みなストーリー展開もさることながら、何度観ても見飽きない作品として力強さ持っています。
未見の方はぜひご鑑賞あれ。