映画「シックス・センス」は決してホラー映画ではありません
「シックス・センス」という映画をご存知でしょうか。
1999年のアメリカ映画です。
死者の霊が見えてしまう少年と、その少年を何とか救おうとする小児精神科医の交流と謎解きを軸とするお話です。
そして、死者の霊がなぜ少年の前に現れるのかを知ることを通じて、死者が見えてしまう「第六感(シックス・センス)」とどう向き合って生きていくかを描いた映画です。
この映画は死者の霊が出てくるので、ほぼ必ず「ホラー映画」として紹介されることが多いのですが、決して「ホラー映画」ではありません。
ストーリー展開のきわめて巧みなサスペンス映画であり、また、夫婦や親子の間の愛を描いたラブストリーでもあります。
少年はその能力故に母との間に問題を抱え、小児精神科医もある事件以降妻との間に心が通じない問題を抱えています。
しかし、この映画の終盤で、死者の霊がなぜ少年の前に現れるのかを少年が理解し、自分の特殊な能力の意義を受入れた時、母との間の問題も感動的に解消します。
そして、映画のラストで小児精神科医も全ての秘密を理解した時、妻との間のわだかまりも氷解します。
このラストに至るまでのストーリー展開は、観た人を必ずあっと驚かせる見事なものです。
そして、この映画は一度観て、この見事な種明かしを一度経験した後で、今度はその種明かしの内容を知ったままもう一度観ても楽しめる不思議な映画です。
少年を「天才子役」と言われたハーレイ・ジョエル・オスメントが演じています。彼無しにこの映画は成立しなかったのではないかとすら思わせる「迫真」の演技です。
そして、彼を救おうとする小児精神科医をブルース・ウィリスが好演しています。私は、この「シックス・センス」のウィリスが、彼の全主演作の中のベストと思っています。
監督は本作品でアカデミー監督賞にノミネートされて有名監督になったM・ナイト・シャマラン。
繰り返しになりますが、この映画は決して「ホラー映画」ではありません。
ラストシーンまで観終えた時、深い感動と共に、みなさんにもそのことがわかります。
是非ご鑑賞あれ。